フグは関西人!?

フグは関西人?!
ハリセンボン
今回はフグの仲間についての話。
まずは、おなじみのハリセンボン。この写真は怒って膨らんだところですが普段はこの全身を覆った針は寝ています。身の危険を感じると、体を膨らませて針を立てるのですが、私はダイビングを始めるまでは、結構、海の中で、こんな光景がしょっちゅう見られるものだとばかり思っていました。

でも、意外と見られないものなのですねぇ。ダイバーが人為的に膨らませようとしない限りは・・・(笑)。
本当はそんなことしちゃいけないのだけれど、5、60本以上潜って、ある程度余裕が出てきているダイバーならば必ずやったことあるはずです。

泳いでいるハリセンボンを捕まえて、ちょっといじめると、見る見る目をむいて水を吸い込み膨らんでいきます!
で、膨らんじゃったハリセンボンはこれが情けないほど泳ぐのが遅くなるわけで・・・何人かで、かわりばんこに手でもたれて記念写真とられちゃったりするんですね。

彼らはいったん完全に膨らんじゃうと、元に戻るの割と大変みたいです。
膨らみさえしなければ、結構泳ぐの速いのに。なんて考えてしまうのですが、これが実は意外と役に立つみたいなのです。

昔、テレビの映像で見たのですが、大きなウツボに噛みつかれ、食われそうになったハリセンボンがぐんぐん膨らんで大きくなり、最後はウツボのアゴがはずれそうになるぐらい大きくなって、無事脱出するというシーンがありました。
漫画みたいな作戦ですが本当です。
ハリセンボンが膨らむのは威嚇とかではなくて、最後の最後の切り札のような気がします。

・・・で、時々、おバカなのがいまして、ある時、ダイビング中の私の目の前をハリセンボンがよぎったので、捕まえようとしたら、岩の間に逃げ込んだんですが、結構狭い空間だったんで、ちょっとひっかかったんですね。で、よせばいいのに、ハリセンボンの悲しい習性で、何かにかみつかれたとでも思ったのでしょう。彼は必死になって岩の間で膨らんでいき、余計にっちもさっちもいかなくなってしまったわけです。
仕方ないので岩をちょっとだけ動かして空間を作ってやったら、慌てて水を吐き出して小さくなって去っていきました。

こういう、どこか憎めない、ボケた味が、ハリセンボンの魅力。
人間だったら絶対、関西弁喋ると思うんですよね。
「あ、どなしよ!体、動かへん・・・どないなっとるんやこれ、前に進まんがな。しょーもないなぁ、バックやバック!・・・あら!あららら!・・・バックもでけんのか・・・?なんや、これ!・・・ひょっとして、きっちりはまってしまっとるのとちゃうやろか?
たまらんなあー!!あーワイ、またボケかましてしもうたがな!」

・・・みたいなね。

ミナミハコフグ

続いて、この黄色いのがミナミハコフグです。
ハコフグというだけ合って、四角いでしょう?英名もBOX FISHです。
そのまんま!!
こいつも愛嬌が合って可愛らしく、ダイバーに人気の魚です。

でも、この派手な模様!なんとなく漫才師の「今くるよ」さんみたいです。
先日、このミナミハコフグの赤ちゃんを発見しました。
ウニのとげの間に隠れていて、大きさ約1センチぐらい。でもちゃんと親と同じような模様をしています。体つきはやや丸っこい感じです。ミナミハコフグyg
大体、魚の幼魚は親とは違う色や模様をしているものが多いと思うので、ここまで一緒なのは結構珍しいのじゃないでしょうか?
映画「オースチン・パワーズデラックス」に出てきた、ミニ・ミーみたいです。(わかってくれた人・・・ありがとう!!!)

コンゴウフグ2
最後はこいつ。コンゴウフグ。
すごい外見でしょう?前と後ろから角が2本ずつ出ています。
こいつがおかしいのは、おそらくこの角が威嚇の役目を果たし事を知っているのでしょう。ダイバーの姿を認めるとちょっと逃げたあと必ず振り返って正面顔を見せるのです。

正面から見るとこんな感じ!
コンゴウフグ正面
変でしょ!!!???
とても魚に見えないですよね。宇宙人とかUFOみたいな感じにも見えます。
口の周りが丸く黒いところは典型的な「ドロボウ顔」です。サザエさんに出てくる昔のドロボウはみんなこんな顔をしてますよね。あと、ドリフのコントとか・・・。
(あれは無精ひげを象徴したデザインなんですかね??現実のドロボウであんな顔をしたやつは絶対いないと思うのですが・・・。あと、ついでに言っちゃうと酔っ払った波平さんが持って帰ってくる紐のながーい折り詰め。あれも、昔は本当にあったんですかね?)

閑話休題。
で、まあコンゴウフグは、こんな顔で水中に浮いてホバリンングしたままこっちの様子をずっとうかがっているわけです。 
おでこからは2本の角。
まるで刃物持って威嚇しながら後ずさりする本当は気の弱い泥棒そっくりな変な魚です。

外見もさることながら、こういう妙に人間的に見えるところが、フグの仲間の不思議な魅力と特徴といえるかもしれません。

次は→さすらいのニシキフウライウオ



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